よくある質問
FAQ(よくある質問)
Q.後見制度支援信託とは?
後見制度支援信託は、成年後見人の不正を防止するために信託を利用する制度です。
被後見人の財産が金融資産のみで、相当額の財産がある場合に使われている制度です。
高齢化社会により、成年後見制度の必要性が高まっている一方で、後見人による不正防止への対策も求められるようになりました。
後見人による横領事件等が続き、裁判所の監督責任も問われかねない事態が続いたため、財産は信託制度で保護しようという動きです。
この後見制度支援信託を設定すると、金融資産の大部分は信託銀行に預け、後見人は日々の収支に必要な範囲でのみ現金を扱えるということになります。信託財産の払出しに関しては、必ず家庭裁判所が発行する指示書が必要です。
後見人が簡単に使えないようにする制度です。
後見制度支援信託は、2018年には2万件も設定されています。
信託契約
信託契約が望ましい事件について、通常は、家庭裁判所は、弁護士との専門職後見人を選び、信託契約をさせたうえで、親族後見人に引き継ぎます。
家庭裁判所は、後見制度支援信託の利用に適している事件について、弁護士等の専門職後見人に対し、信託契約締結を指示する指示書を発行します。
専門職後見人は、指示書を信託銀行に提出し信託契約を締結します。
この設定ができたら、弁護士等の専門職後見人は、辞任し、親族後見人が後見業務を引き継ぎます。
後見制度支援信託の内容
信託契約において、信託財産からの定期的な給付が指示されていることがあります。
この場合、受託者である信託銀行は定期的な信託財産の給付します。
信託財産から、後見人が管理する被後見人の預貯金口座へ送金するなどします。
これは、被後見人の収入だけでは被後見人の支出が補えないとき、マイナスの家計のときに不足分を預貯金から補填するというものです。年金収入だけでは施設費用が足りない、預金を少しずつ取り崩せば寿命まで施設にいられる、というようなときに、預金の取り崩しを信託で設定するものです。
この金額が足りなったような場合には、後見人は家庭裁判所に報告し、金額を変更した指示書をもらい信託銀行に提出して変更します。
多額の支払が必要になるなどして、一時金が必要なときも家裁の指示書をもらいます。
信託の終了
後見制度支援信託は、本人の死亡により成年後見業務終了になりますので終了となります。
また、後見開始取消審判の確定や、事情が変更して指示書に基づき信託の全部解約がされれば終了です。